金融の変遷を見る(「マネーの進化論」より)

はじめに

ここ最近、「マネーの進化論」というハーバード大学の教授が書いた、金融史の入門本を読んでました。

入門本とはいえ、自分にとっては相当難易度が高かったのですが、なんとか読み切ったので、まとめ。

マネーの進化史

マネーの進化史

一章-金融の歴史の外観

貨幣というものが使用されるようになったのは、結構前からで、紀元前600年頃のリディア王国ではすでにコインが使われていました。

また、紀元前200年頃の秦王国でも貨幣の流通が確認されています。

このように、交換手段としての貨幣は昔からありましたが、金融史という意味で大きく進化したのは、14世紀後半のフィレンツェにおけるメディチ家の台頭によるものでした。

当時のキリスト教では、高利貸しは罪と見なされていて、なかなかお金の貸し借りが行われにくいという土壌がありました。

そんな中で、メディチ家が行ったのは、当時ヨーロッパでたくさんの種類があった貨幣の両替商でした。

彼らはある貨幣を商人に与える代わりに手形をもらい(●日後、別の貨幣にて支払いをするといったもの)、その手形の満期に現金に替えたり、またブローカーを経由して現金に替えたりしていました。

メディチ家は、更に銀行業にも手を出し、複数の銀行とパートナーシップを結び、資金を集め、それを増やしていきました。

ここでポイントとなるのは、帳簿上だけで貨幣の取引ができるようになった(これはメディチ家が初めてではない)こと、メディチ家がその規模を拡大し、更に業務の多角化を進めたことです。

銀行業において、業務の拡大・多角化というものは非常に大事で、多角化が進んでいないと一件の焦げ付きが致命的な損失につながってしまいます。

メディチ家は拡大・多角化によってそれを防ぎ資金を増やしたのです。

この銀行の進化は、17,18世紀にかけてヨーロッパに広がっていき、やがて銀行は預金者が一気に現金を引き出すことはないという前提のもと、蓄えている貴金属や現金よりも多くの貸付を行うようになりました。

ここで、貴金属とお金の関係が断ち切られ、所有している貴金属以上のお金が市場に出回るようになりました。

一方で、スペインは、この流れについていけず、南米を征服し大量の貴金属を本国に持ち帰ったにもかかわらず、他国に比べて大きな発展を遂げることができませんでした。彼らは貴金属の量が増えれば増えるほど、市場の現金(貴金属から生成される)が増え、豊かになると考えたのでした。

彼らは、貴金属の量=市場のお金の量という考えを捨てきれず、ヨーロッパの他の国から取り残されていったのです。

2016年の振り返り(漫画編)

今年の漫画Top3

①アオアシ

愛媛のサッカー少年が、日本No1のユースチームに入り、成長していく話。とにかくアツい!!今まで読んだサッカー漫画は数多く読んできたけど、その中でもNo1!!

主人公は数多くの逆境に直面するけど、めげずに努力する姿勢。サッカーの魅力を詳しくない人にもわかりやすく伝える描写。魅力的な登場人物などなど一押しのサッカー漫画です!

アオアシ 1 (ビッグコミックス)

アオアシ 1 (ビッグコミックス)

②中間管理録トネガワ

ザワッザワッ...圧倒的面白さ!!悪魔的ギャグ漫画...! この作者の発想は天才的としか言いようがないですね。一つ一つのギャグがハイセンスすぎです。 カイジを一度でも読んだことがあれば大笑いできます!

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)

③東京グール

この作品は面白さが衰えませんね。

今シリーズ全体で23巻も出ているのですが、目まぐるしく移り変わる展開は全く飽きることがないです。至る所に張り巡らされている伏線も素晴らしいです!!

11泊12日のヴィパッサナー瞑想合宿体験記

GWを利用して瞑想合宿に行ってきたので、その体験の振り返り

ヴィパッサナー瞑想: ダンマーディッチャ

瞑想合宿の概要

ゴエンカさんという方が1900年代後半からミャンマーでのブッダの教え(テーラワーダというブッダの教えを忠実に守ろうとしているところの教え)を広めようとしたのが始まり。

現在施設は世界に150箇所以上あり、日本では千葉と京都に二箇所。

僕が行ったのは千葉で、初めて行く人はこの11泊12日のコースを受講しないといけない。 そのため、仕事をしている人はGWとお盆と年末年始に一気に参加してくるらしく、今回も70名が上限のところ160名くらいの応募があったとのこと。

最近は、参加者が増えているらしく年に何度も行っているこの瞑想合宿はいつも満員らしい。 (推測ですが、外資のIT系企業が社内研修で瞑想を取り入れたりしていることもあったりして最近は瞑想がややブームなのかも。)

合宿の2日目から10日目までの間は参加者同士のいかなるコミュニケーションも禁止されており、また電子機器、本、筆記用具等の持ち込みは一切禁止で、完全に娯楽はなしとなる。 そのような状況下で一日に10時間くらい瞑想をひたすらすることになる。

合宿参加の目的

三年くらい前に存在を知ってから結構行きたいなと思っていたけど、なかなか時間がとれずずるずると先延ばしにしていた。
ちょうど仕事の休みが取れそうだったので思い切って参加することに。

自分の場合、するべきことをずるずると先延ばしにしてしまったり、だらだらと過ごしてしまったりすることが多くてそういうのを変える手段の一つとしてメンタルトレーニングがてら参加しました。

合宿側の目的とか教えとかの概略

(あくまで僕が合宿に参加した中で解釈したことです。)

合宿の主催者側としては、参加者の心の浄化を目的としています。 (完全な心の浄化=一切の苦悩からの解放=悟りです。)

悟りに至るためには、3つの大きな柱があります。

  1. 道徳律(シーラ)を守る。
    仏教の五戒(嘘つかない、酒飲まない、浮気しない、生き物を殺さない、盗まない)を守り、善行をすること。 合宿中は五戒の厳守が徹底されます。

  2. 心の統御をする。(サマーディ)
    何事に対しても冷静さを持つことが必要になります。
    合宿中は2-4日目にアーナパーナの瞑想法という、自分の自然な呼吸に意識を向け続けるという訓練を通じてこれを養います。

  3. 知恵(パンニャ)
    ここで言う知恵というのは、自分の無意識のレベルにおいて世の中は無常である(アニッチャ)ということを理解するということです。 身体感覚が常に変化していくことに意識を向けることでこのアニッチャという概念を体に覚え込ませます。

仏教的な考え方では、苦しみは物事への執着から生じます。
○○が欲しい・○○は自分のものだ・苦しみから逃れたいなどなど。
しかし、そういう考えには基本的にはキリがなく次から次へと欲望が生まれてきます。
その欲望をすべて満たすことはできず、苦しみが生じてしまうということです。

また、心(思考)と身体(身体的な感覚)は密接につながっており、双方に影響し合います。
欲望というのは、身体感覚の追求に他ならず、例えば「○○が欲しい」という欲望も無意識のレベルでは「○○が欲しい」と思った時の身体的な「快」の感情を追い求めているだけということのようです。
そのため、知恵(パンニャ)を得ることで、その感覚が一瞬のもので常に移り変わるということが無意識レベルで理解できると欲望への執着がなくなっていくそうです。

合宿中の体験と感想

・1日目
夕方くらいに現地到着。オリエンテーションのみ。
これからついに...という期待感

・2日目、3日目 ひたすら呼吸を観察する瞑想をやり続ける。
とにかく退屈で時間が経つのが遅い。。先が途方も無く長く感じる。

・4日目 引き続き呼吸の観察。
しかし、少し慣れてきたのかこれくらいだったら残りも頑張れそうと思う。

・5-7日目
感覚に焦点を当てるヴィパッサナー瞑想に取り組み始める。
呼吸に焦点を当てるだけよりも面白い。
しかし、この瞑想をやるようになってから、瞑想中に姿勢を変えてはいけないと言われ、非常に背中と足の痛みを感じる。
その痛みの観察もヴィパッサナー瞑想とのことです。

・8日目
引き続きヴィパッサナー瞑想
中だるみ。。

・9日目
ヴィパッサナー瞑想
ここらへんでやっと体を観察することで痛みが消えていく感じを掴んでくる。
(ヴィパッサナー瞑想の目的はあくまで身体感覚の観察ですが、観察を続けていると痛みが消えるということが多いです。)

・10日目
ヴィパッサナー瞑想
頭にもやがかかったような不愉快な感覚を感じる。それが全く消えなくてそれとひたすら格闘。

・11日目
コースの参加者としゃべってもよくなる。
他の人が結構すごい体験をした!みたいなことを言ってて、「まじか...自分は何もないぞ...」と思ったのと、瞑想のやり方のヒントを得る。
頭のもやも消せるようになってくる。が、もやは消しても消しても奥から出てきて結局最後まで完璧には消えず。
また、この日は慈悲の瞑想(メッター)にも取り組む。周囲の人や全ての生き物の幸福を願う瞑想。

・12日目
掃除して帰宅。久しぶりに肉が食べたくてとりあえず肉を食べる。

全体所感

僕の当初の目的が果たせたかはもう少し経ってみないとわからないですが、面白い経験ができたなーとは思っています。
また、少しだけエゴが減ったような気がしないでもないです。(今だけそう感じてるだけかも)

また、ブッダすげーなというのは結構感じました。
悟りという極めて個人的でかつ人の目に見えない精神的な部分の話を体系だった知識としてまとめ上げ、また、他人が習得できるように方法論まで確立したのは非常にすごい功績なんじゃないかなと思っております。
ちょっと興味が出たので経典とか読んでみたい。
正直、理解できていない部分もたくさんあるし、「ん?」って思わないでもない点もあった。
おいおいここらへんも納得できる部分とできない部分を上手く切り分けられるくらいにはなりたい。

劇的な体験をしている人が結構いる中であんまりそういうのがなかったのは悔しかったですが、そもそも自分はそんなに心も病んでないし、体も不調を抱えてないので体験しにくいといえばしにくいのかも。。

瞑想はやっぱり続けてなんぼなので、もう少し続けてみたい。
が、別に人生でそんなに苦しみまくった経験がないので、そんなに悟りたいという心境には至っておらず。(至ったとしても悟れるかは別問題ですが...)
自分の場合はやっぱりあくまで心を整えるくらいにやっていきたいかな。
またいつか参加してみたいとは思う。

二年間の社会人生活を振り返って

前置き

社会人生活を二年間送ってみて、非常に大きな学びがあったなと思っています。  
後から振り返れるように学んだことを記録化しておければと思います。  
(継続的に記録していたものではなく、今この瞬間に思っていることなので、抜け漏れは多いです。。)

仕事とは成果をあげることである。

まず、仕事をする上での大前提はこれだなと思っています。  
この前提を無意識のうちに理解することなく仕事をやるのはかなり厳しいなと思っています。  
(人に言われるまでもなく、この前提を持っている人もいると思いますが、自分は持っていなかったので、初めのうちは苦労しました。。)  

本来的に、会社として目指す方向性があり、それに合致する戦略をチームとして決定し、その上で個人が遂行する業務が決まっていくと思います。  
つまり、成果の高い仕事というのは、その仕事を行ったことで、チームや会社の戦略にどれだけ影響を与えられたかというところで決まってくるのかと思います。

この成果というものに対する認識がずれている(もしくは持っていない)と仕事をする上で、どうでもいいところに時間を割いてしまうことになると思っています。  

例えば、仕事上でミスが多いからそれを減らしたいと思っている人がいるとします。  
もちろんミスを減らすのは重要な事だと思います。ただ、ミスを減らした結果として、成果にどれだけ大きなインパクトが与えられるかというところはよく考える必要があるかと思います。  
社内の近しい人向けの文章で多少誤字脱字があったところでさほど問題はない(場合が多い)です。にもかからわず、その文章の誤字脱字を発見するために、何十分もの時間をかけるのは個人的には間違っているのかなと思っています。  

多様性は認められるべき

僕の文章は基本的に「思います」といった言葉で一文が終わることが多いです。  
それは、正しいとか正しくないとかそういうものは基本的になくて、結局個々人が主観的にどう思うかということしかないという前提を持っているということがあります。

自然科学のように、数式を持ってある物事を定義し、そこから論理を積み重ねていくものとは違い、実生活の全ては個々人がどう思うかという部分の組み合わせで動いています。  
これは学問としての社会科学も同様です。  
(余談ですが、最近読み始めた「経済学とは何か」という本には、今の主流派の経済学が、数ある経済学説の一つにしか過ぎないということを書いていて、結局は社会科学はある人の仮説を元にした学問体系であるということを書いていて、なるほどなと思いました。)

そういった前提で考えてみると、正しいやり方、考え方というものは基本的に存在しなくて、個々人がどういう考え方を選択するか、それだけの違いにすぎないんじゃないかなと思っています。

ある目標に対する到達方法は一つではなく無数にあり、会社員としてチームを組んで仕事をする上で大事なのは、お互いにプロフェッショナルとして成果に対して責任を持ちつつも、その方法論については各自に任せるというのがいいんじゃないかなと思っています。

先輩が後輩に何かを教える時はこの成果を上げる方法は無数にあるという前提を持っておかないと、自分のやり方を押し付けるという結果になってしまうかと思っています。

教育は難しい

自分自身は社会人になって後輩教育をしたことはないので、あくまで今思っていることです。

上で書いたように、成果を上げる方法は無数にあると思っています。しかし、後輩に好き勝手やっていいよとすると会社に損失を与えてしまうため、そういったこともできないです。  
一方で、後輩の仕事のやり方をがんじがらめに縛ってしまうと、後輩は自分に合っていない(かもしれない)やり方を選択せざる得なくなり、また、そういう監視の厳しい教育をすると、後輩の目は成果ではなく、先輩に気に入られるかというところに向くようになってしまう事が多いです。

なので、先輩としては後輩の失敗の責任の取れる範囲で少しずつ責任の範囲を規定してあげて、そこで成果を上げてもらって、徐々にその責任の範囲を広げていくということが大事になるんじゃないかなと思っています。  
また、後輩の仕事のやり方で、明らかにうまくいきそうにないなと思った場合には、その事実をそのまま言っても多分あまり意味はなくて、そう思うに至った経験であったり思考プロセスを伝えてあげることが大事なんじゃないかなと思っています。

自分が経験してみて、教育は非常に価値があり、自分もここの分野において強みを発揮できる人になりたいなと思っています。

体験が大事

月並みですが、分かるとできるは大きく違います。それと近い感覚で、本を読んで知っていると実際に体験したということには大きな隔たりがあります。

例えば、ドラッカーの本を読んでいて、成果に焦点を当てることが大事だと書いてあったとしても、それをどう捉えられるかは人によって全く違います。  
自分の場合は、三年前くらいに初めて読んだ時と今では、この言葉に対しての理解度というか感じるところみたいなものが全く違うなと感じています。

仕事もそうなのかなと思っていて、経験がある人の方が仕事ができる場合が多いのは、同様の事象にぶつかってきたことがあるからという部分が大きいのかなと思っています。  
だから、後輩が気付かないような部分に先輩が気付くのは、当たり前といえば当たり前で、先輩は気付いた上でどう行動するかというところが求められるんじゃないかなと思っています。  
後輩にその部分を指摘するのかしないのか、する場合にはどうやって伝えるのか、そういった部分をきちんと考えられることが先輩に求められることなんじゃないかなと思っています。

仮説検証が大事

基本的に正しいとか正しくないとかがない世界でかつ経験しないと分からないということがある中で、成果を上げるスピードを高めてくれるのが、仮説検証なんじゃないかなと思っています。

こうやったら上手くいくんじゃないかなという仮説をもって実際にやってみて、上手くいったいかなかったということを振り返るという思考を通じて、似たような事例にあたった時に活用していくということが大事なのかなと思っています。

これができないと経験が他の事例に適応しにくい人になっちゃうなと思っています。

後書き

大学生になって二年間経った時も大きな学びがあったなと思っていました。  
しかし、その後の二年間(3,4年生の時)ははじめの二年よりも個人的な所感としては学びが少なかったんじゃないかなと思っています。    同じ環境にずっととどまると、積極的な努力をしない限りは学べることは減っていくのではないかと個人的には思っています。  
社会人の三年目が以前と同じにならないようにしていくことは非常に大切だと思っています。

あと、最後に自分と関わってくれた人への感謝を述べたいと思います。

特に二年目にずっと仕事で一緒だった一個上の先輩(年齢的には三個上)には、感謝しかないです。この人と一緒に仕事をすることで成果とは何か、仕事とは何かを体験として理解することができました。
この人のおかげで、自分なりにきちんと成果をあげられる状態になっていると自信を持てる状態になりました。

それ以外にも会社の人や大学時代の友人、その他の多くの人達との交流を通じて色々と学べることがあったなと思っています。
そういった意味で、人との出会いは本当にありがたかったと思っています。

なぜ人と組織は変われないのか 第三部:変革を実践するプロセス

第八章:変わるために必要な3つの要素 手法を実践するために必要な3つの要素

・3つの要素
 ・やる気
  ・自分の固定観念を変えるという非常に大変な作業なので、強く改善したいと思うことが大切
  ・自分の大切な人やものが傷つけられるという強い危機感がいい
  ・固定観念に気付く過程で、それが与える悪影響の大きさに気付くことで、やる気が高まることも多い。
 ・思考と感情の両輪
  ・固定観念を知り、またそれを変えても安全だと心から思えることが大切。
 ・行動と思考の両輪
  ・阻害行動の観察を行い、裏の目標や固定観念について探る
  ・避けるべき行動を実際にとってみて、自分の思考様式の検証を行う。
   ・この段階では、行動をとってみて、どういう心境の変化があるかを探るかを知ることが大切。行動を変えることが目的ではない。
   ・そのため、何を行って、何の情報を得たいかをしっかりと考えておく必要がある。
・変革に成功した人たちの共通点
 ・思考と行動の両方を変えようとした。片方を変えればもう片方も勝手に変わるとは考えなかった。
 ・思考と感情と行動を観察し、観察の結果を情報として活用した。無意識の目標にも目を向けた。
 ・思考様式を変えて、選択肢が広がった。
 ・明確な目標を持って、リスクを伴う行動をとった。その過程でデータを集め、新しい思考様式を形成した。


第九章:診断ー変われない原因を突き止める 変革を拒む免疫機能を診断するためのプロセスを説明。

・改善目標を立てる
 ・周囲の人に目標についてコメントをもらう
 ・知性を高めなくては解決できない、適応を要する課題を選ぶ。
 ・その目標が自分にとって至上命題と感じるくらいに大切なものである。
 ・その目標が周りの人にとっても重要である。
 ・目標達成のために、主として自分の努力が必要だと認識できている
・阻害行動をリストアップする
 ・率直でかつ具体的にかく。
 ・思いつく限りリストアップする
 ・改善目標を行う際に具体的に足を引っ張っているものを書く。
 ・この段階では、どうしてそのような行動を取っているかはまだ考えない。
・裏の目標を探る
 ・不安を探る
  ・恐怖を呼び起こす感情そのものを見つける。
   ・退屈感とか、面倒とかそういうものではない。
    ・例えば、退屈を感じるのは興味がないからで、興味がないのは、何らかの不愉快な感情を味わいたくないから。それを見つけ出す。
 ・裏の目標を明らかにする
  ・裏の目標を達成しようとすると、阻害行動を取る必要が出てくる。
  ・裏の目標は自己防衛と関わりが明確でなくてはいけない。
固定観念を特定する
 ・固定観念は、事実だと思い込んでいるものかもしれないし、すぐに謝りだと気付くものかもしれないし、どちらか判断が付かないものかもしれない。
  ・ただし、何らかの面で自分が正しいと感じてきたものである必要がある。
 ・固定観念は、裏の目標を生み出すものでなければならない。
 ・固定観念は、今まで足を踏み入れてこなかった世界に気づかせてくれるものでなくてはならない。

第十章:克服ー新しい知性を手に入れる 免疫機能の乗り越え方

・免疫機構を乗り越えるステップ
 ・序盤
  ・免疫マップを作る。
 ・中盤
  ・目標への道のりを作成する。
   ・目標、最初の一歩、際立った進歩、成功の指標を考える。
  ・自己観察を行う。
 ・終盤
  ・事後調査を行う
  ・固定観念がどうなっているか確認し、変革を継続するための落とし穴を見つける
 ・
固定観念の妥当性の検証実験
 ・前提
  ・思考様式の変化を軽んじない
   ・行動至上主義になると、一度固定観念に反する行動をとって満足し、継続が期待できない。
  ・あくまでここで行うのは、実験であることを理解する。
 ・実践
  ・検証する固定観念を選ぶ
  ・検証する方法を考える
   ・具体的にどういう行動や発言をするか計画する
   ・どのようなデータを集めるか考える
   ・どういう結果が得られたら固定観念が反証されたか(立証されたか)を決める
  ・実験のアドバイス
   ・安全でささやかな実験をする
   ・近い将来実行可能な実験をする
   ・データを集める目的で実験する
   ・実験シートを埋める
  ・実験の結果を解釈する
実験シート

1a. どういう行動を取ろうと思っているか

1b. 1aの実験により、強力な固定観念に関してどのよな情報を得られるか

2a. 実験でどういうデータを集めたいか

2b. 実験でどういう結果が出れば思い込みが正しいor正しくないと結論づけられるか

2c. 実験について報告したい人、見守ってほしい人、コメントが欲しい人はいるか

3a. 実験は以下の基準を満たしているか
[ ]実験は安全か?(最悪の結果になっても耐えられるか)
[ ]試す相手は適当か
[ ]すぐ実行できるか

  

なぜ人と組織は変われないのか 第一部:変われないの本当の理由

第一章:人の知性に関する新事実

・知性とは
 ・知性は、自分が客観視できる思考や感情と、自分が認識できない思考や感情の線引できまる。
・知性に進化
 ・大人になってからも、以下の3つの段階を進化していくことがわかった。
・知性の三段階
 ・環境順応型
  ・周囲の状況や期待に応えることを第一とする。帰属意識を抱く対象に忠実に行動しようとする。
 ・自己主導型
  ・自己の判断基準を持ち、それに沿って周囲の状況や期待について判断し、選択を行う。
 ・自己変容型
  ・複数の判断基準を持ち、それらを絶対視しない。場面に合わせて最適な基準を適応しようとする。
・二種類の課題
 ・技術的課題:やり方を知ることで解決できる。
 ・適応を要する課題:思考様式を変更することで解決できる。


第二章:問題をあぶり出す免疫マップ

・免疫マップとは
 ・変革のプロセスがどのように個々人に左右してくるかを見えるようにするもの
 ・具体的には、以下の4つを考える。
  ・改善目標
  ・阻害行動
  ・裏の目標:阻害行動をとってしまう原因
  ・強力な固定観念:個々人の思考のモデルを作っている根本的な信念
・人が変われない原因
 ・人は自分の認識システムを認知できていない。
 ・自己改革をしようとすると、裏の目標が達成されなくなる恐怖や、変化後への漠然とした不安が生じる。(変化後の状況に無防備で投げ出される感覚)
 ・認識システムを認知できないため、この不安や不安の原因を特定できない。
 ・そのため、改善目標を成し遂げるために行った方がいいことが分かっていても、阻害行動を取り続けてしまう。
・免疫マップの意義
 ・裏の目標や固定観念を書かせることで、不安や不安の原因について目を向けられるようになる。

第三章:組織の不安に向き合う

・免疫マップを用いた組織の改革をおこなうために
 ・リーダーが率先して自己改革を行うことが必要
  ・リーダーが自ら自己改革を行うことで、メンバーは取り組みに対して背中を押される。
 ・職場のチーム単位で行うことが必要
  ・免疫マップを用いた改革をチーム単位で職場での内省と自己実験を続けやすい環境ができる。
   ・お互いに自己成長を促すという共通言語ができる。
   ・改善点の指摘が互いに行い易くなる。
   ・チームのメンバーが進捗を評価してくれる。


なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践

なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践

【読書】なぜ人と組織は変われないのかー本書の目的と構成

本書の目指すこと

人と組織が変われない原因である変化への拒否感を取り除き、個人単位もしくは組織単位での変革を行えるようにすること。

本書の構成

第一部:人が変わるとはどういうことかについて

  • 第一章:人の知性に関する新事実
    • 本書の理論の土台
  • 第二章:問題をあぶり出す免疫マップ
    • なぜ人は変われないのかのメカニズムについて
  • 第三章:組織の不安に向き合う
    • 本書の考えを取り入れた例

第二部:本書の手法の実践例

  • 第四章:様々な組織が抱える悩み
    • グループに対しての変革
  • 第五章:なぜ部下に任せられないのか
    • 個人に対しての変革
  • 第六章:自分を抑えることができるか
    • 個人に対しての変革
  • 第七章:うまくコミュニケーションが取れないチーム
    • グループの各人に対しての変革

第三部:本書の手法の実践手順

  • 第八章:変わるために必要な3つの要素
    • 手法を実践するために必要な3つの要素
  • 第九章:診断ー変われない原因を突き止める
    • 変革を拒む免疫機能を診断するためのプロセスを説明。
  • 第十章:克服ー新しい知性を手に入れる
    • 免疫機能の乗り越え方
  • 第十一章:組織を変える
    • チーム単位での実践
  • 第十二章:成長を促すリーダーシップ
    • リーダーが備えるべき7つの資質

なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践

なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践